光の軌跡
玉井瑞夫 写真家/フォトディレクター
宇宙がよみがえる ペンジュラム
地球の自転を感じながらの撮影など、めったにないことである。
真っ暗なスタジオで、話し相手もなく、ペンジュラムの小さく輝く光が延々と、まるで生きているように方角を変えながら前後左右に旋回している有様を眺めていると、ぼくは時折、宇宙の力を借りながら生かされているような実感を感じることがあった。
そんな時、ぼくはコントローラーに過ぎないと思え、ペンジュラムを始めると人間、謙虚になるものだと苦笑することもあった。
玉井瑞夫 写真家/フォトディレクター